はじめに
「液晶が漏れていて、バッテリーも劣化している...買取価格はどう計算されるの?」
iPhone買取で最も複雑なのが複数の故障が重なった場合の減額計算です。
この記事では、実際の買取店での査定動画をもとに、減額計算の全プロセスを1円単位まで詳しく解説します。

査定対象端末のスペック
今回査定した端末の詳細:
- 機種: iPhone 11 Pro
- 容量: 64GB
- カラー: ゴールド
- ネットワーク: ソフトバンク(まる=SIMフリー)
- 外装状態: 外装ジャンク(背面・画面割れ)
- 液晶状態: 液晶漏れあり
- バッテリー: 劣化あり
複数の故障が重なった「厳しい状態」の端末です。
基本価格
外装ジャンクの基本価格
まず、外装ジャンク状態の基本価格が設定されます:
- 高額買取プラン(1ヶ月後振込): 14,000円
- 特急プラン(翌平日振込): 13,000円
この価格が減額計算のベースになります。
なぜ外装ジャンクが基本価格?
「基本の価格が外装ジャンク、高額買取というのが1ヶ月後の振り込みの場合14,000円となりまして」
この端末は背面も画面も割れているため、最初から外装ジャンク扱いです。美品価格からの減額ではありません。

減額計算ステップ1
画面割れだけなら減額なし
重要なポイント:
「もしこの画面で液晶が漏れていない場合、外装ジャンク、背面割れていて画面も割れている場合だと減額は入りません」
つまり、外装ジャンク+画面割れ(液晶漏れなし)= 追加減額なしです。
液晶漏れがある場合
しかし、この端末は液晶が漏れているため:
「こちらも液晶漏れしているので、減額が表示タッチ操作の劣化となってしまう」
計算式:
14,000円 - (14,000円 × 0.45) = 14,000円 - 6,300円 = 7,700円
液晶漏れにより6,300円減額され、残り7,700円になります。
液晶漏れの定義
- 画面に黒いシミや色むらが出る
- タッチ操作が効かない部分がある
- 画面表示に線が入る
これらは「表示タッチ操作の劣化」として45%減額対象になります。
減額計算ステップ2
さらなる減額が重なる
液晶漏れで7,700円になった価格から、さらにバッテリー劣化の減額が入ります。
「あとはこの場合だとバッテリーの劣化もしているので、またここから減額が入りまして」
計算式:
7,700円 - (14,000円 × 0.30) = 7,700円 - 4,200円 = 3,500円
計算の根拠
注意すべきは、バッテリー減額は**液晶漏れ後の7,700円ではなく、基本価格14,000円に対して30%**計算される点です。
「マイナス14,000円かける30%なので0.3となります」
これは査定システムの仕様で、各減額項目は常に基本価格を基準に計算されます。

最終買取価格
計算の全体像
ステップバイステップ:
- 基本価格: 14,000円(外装ジャンク)
- 液晶漏れ減額: 14,000円 × 0.45 = 6,300円
- 液晶漏れ後価格: 14,000円 - 6,300円 = 7,700円
- バッテリー減額: 14,000円 × 0.30 = 4,200円
- 最終価格: 7,700円 - 4,200円 = 3,500円
減額率の合計
- 液晶漏れ: 45%
- バッテリー劣化: 30%
- 合計減額: 75%
- 最終残存率: 25%(3,500円/14,000円)
減額計算の重要ルール
ルール1
バッテリー減額は液晶漏れ後の価格ではなく、常に基本価格(14,000円)を基準に計算されます。
ルール2
一度に75%減額ではなく、45%→30%と段階的に適用されます。これにより、一括計算(14,000円 × 0.25 = 3,500円)と同じ結果になります。
ルール3
背面割れ・画面割れなどの外装故障は、外装ジャンク基本価格に既に反映されているため、追加減額はありません。
他の故障パターンとの比較
パターン1
- 基本価格: 14,000円
- 減額: なし
- 最終価格: 14,000円
パターン2
- 基本価格: 14,000円
- 液晶漏れ減額: 6,300円
- 最終価格: 7,700円
パターン3
- 基本価格: 14,000円
- バッテリー減額: 4,200円
- 最終価格: 9,800円
パターン4
- 基本価格: 14,000円
- 液晶漏れ減額: 6,300円
- バッテリー減額: 4,200円
- 最終価格: 3,500円
売却前に確認すべきポイント
液晶漏れの自己診断方法
- 画面を白一色で表示(設定アプリ等)
- 黒いシミ・色むらがないか確認
- タッチ操作が全画面で効くか確認
少しでも異常があれば「液晶漏れ」と判定される可能性があります。
バッテリー劣化の確認方法
iPhone標準機能で確認:
- 設定 → バッテリー → バッテリーの状態
- 最大容量が80%未満なら「劣化」判定の可能性大
ただし、買取店は実際の動作確認で判断するため、80%以上でも劣化扱いになることがあります。
