買取NGになる状態や注意点(ネットワーク利用制限・分割払いの残債など)
中古スマホの売買にはいくつか買取NG(買い取ってもらえない)の状態や、注意すべき条件があります。特にiPhoneではネットワーク利用制限の状態や、分割払い残債の有無が重要です。ここでは、それらの具体的な意味とリスク、その他買取時に注意したいポイントを解説します。大事なiPhoneを売る前に、NG項目に該当しないかチェックしておきましょう。
ネットワーク利用制限とは、携帯キャリアが端末ごとに設定する利用制限のことです。主に以下の理由で制限がかかります。
- その端末がキャリアへの支払いを滞納している
- その端末が盗難・紛失品として届け出されている
日本の主要キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天など)は、端末のIMEI番号でこの制限を管理しており、Webサイト上で判定結果を確認できます。判定は一般に以下の記号で表されます。
- ○(まる): 制限なし。支払い済みで紛失盗難の届け出もない正常な状態。
- △(さんかく): 現時点では制限なしだが、将来的に×になる可能性あり。典型的には分割払い中で滞納はない状態(支払いが完了すれば○になるが、もし滞納すれば×になる)。
- ×(ばつ): 利用制限あり。通信キャリアの判断で回線利用が停止されている状態。盗難品や支払い事故によるもの。いわゆる「赤ロム」と呼ばれ、この端末は通信ネットワークに接続できません。
赤ロムになったiPhoneは、SIMカードを挿しても圏外のままになるなど事実上電話やモバイル通信に使えません。当然、買取NGとなるケースがほとんどです。中古で購入した人にとって致命的な不良品扱いになるため、業者も基本的に買い取りを拒否します。
- △の端末は要注意: 判定△は現時点で使えますが、将来赤ロム化するリスクを孕みます。そのため買取業者によって対応が分かれます。「残債あり端末でも買取可(ただし赤ロム永久保証付き)」という店もあり、その場合万一後日×化しても業者が保証してくれます。逆に△は受け付けない業者もあります。売却時に自分の端末の判定を確認し、△の場合はその旨を伝えるようにしましょう。
- キャリア別の確認方法: NTTドコモやau、ソフトバンクは公式サイトにIMEIを入力して○/△/×が分かるページがあります。「ネットワーク利用制限 チェック ○△×」などで検索すれば見つかります。売る前に一度必ず確認しておきたいポイントです。
上記の判定と関連しますが、分割払い中(ローン支払い中)の端末は基本的に判定が△となっています。では残債があるiPhoneを売ること自体は問題ないのでしょうか?
- 法律上は売却可能: スマホ本体は購入者の所有物なので、たとえローン支払い中でも売ること自体は違法ではありません。ただし契約上は「分割払い完了まで端末にネットワーク制限をかける権利」をキャリアが持っています。
- 残債ありのまま売るリスク: あなたが端末を手放した後も分割の支払い義務は残ります。もし途中で支払いをやめてしまうと、端末は即赤ロム化(×)され、新しい持ち主に迷惑をかけてしまいます。それにより買取店からクレームが来たり、最悪の場合返金請求をされる可能性もあります。
- 業者側の扱い: 多くの買取店は「残債あり(判定△)でも現状○なら買取OK。ただし今後×になったら対応を求める」というスタンスです。具体的には、契約書に「赤ロム化した場合は返金または端末の返却に応じること」という同意項目があったりします。つまり売った後も完済されることが前提で取引が行われます。
- できれば完済してから: 安心して売るためには、可能ならキャリアに残債を一括清算して○判定にしておくことをおすすめします。その方が査定上も心象が良く、減額リスクも低くなります。完済後に再度チェックサイトで○表示になれば万全です。
- iCloudのアクティベーションロック有効: 前項で触れたように、iCloudからサインアウトしていない端末(=「iPhoneを探す」がオンの状態)は次の人が使えません。業者も買取できないので、サインアウトして初期化(工場出荷状態)してから持ち込みましょう。万一ロック状態だと買取拒否か、大幅減額(事実上ジャンク扱い)となります。
- 改造・解析された端末: 脱獄(Jailbreak)などソフト的な改造、あるいは非正規パーツへの交換などハード的改造が判明したiPhoneは買取NGか減額になります。特に見えない部分ですがバッテリーやカメラモジュールが純正でないと査定ダウンします。
- 故障が激しすぎる端末: 画面も基板も全滅でデータも読み取れない、といった重度の故障品はさすがに買い取れない場合があります。水没で基板腐食がひどいもの、分解途中でパーツ欠品しているものなどです。ただし専門業者ならパーツ取り前提で買うところもあり、一概には言えません。
- 盗難品: 当たり前ですが盗難・遺失物として届け出されている端末は売却不可です。他人のiPhoneを勝手に売るのは犯罪になりますし、買取店も警察から照会が来れば協力します。以前中古購入した端末が実は盗品だった…というケースも稀にあり、その場合は返却を求められることになります。信頼できる入手経路のものだけ売却しましょう。
- 契約者以外の持ち込み: 名義人でないと買取できない場合があります。例えば家族のiPhoneを代理で売りに行く場合、本人確認の書類や委任状が必要になることも。宅配買取では名義人本人しか申し込めないのが基本です。トラブル防止のため、必ず契約者本人が手続きを行いましょう。
- 事前にIMEIでネットワーク制限の判定を確認し、可能なら残債を完済しておく。△の場合はその旨を申告して信頼関係を築く。
- 利用料金の滞納をしない: 売却後も分割支払いを継続する場合、絶対に滞納しないよう注意。口座引き落としの残高不足などに気を付ける。
- 各種ロック解除: iCloudロック解除(サインアウト)やパスコード解除、指紋/顔認証データの削除など、次のユーザーが困らない状態に初期化する。
- 本人確認書類の用意: 買取時は必ず免許証などの提示・提出が必要。名前・住所が一致しないとNG。結婚等で姓が変わっていたら書類も合わせて変更しておく。
- 怪しい業者に売らない: 相場より極端に高額を謳う業者や、やたらと振込を渋る業者は避けましょう。万一売却後にトラブルになった際の対処も含め、評判の良い買取店を利用することが大切です。
これらの点に気を付けていれば、まず買取NGで困ることはありません。iPhone買取をスムーズに進めるためにも、自分の端末の状態をしっかり把握し、正直に申告して、安全な取引を心がけましょう。